主な登場人物・キャスト
| 役名 | 演者 |
|---|---|
| Ernesto(エルネスト) | Guglielmo Favilla |
| Samuel(サミュエル) | Raffaele Ottolenghi |
| Stella(ステラ) | Giulia Zeetti |
| Rei(レイ) | Alex Lucchesi |
| Sara(サラ) | Federica Bertolani |
| Sandrino(サンドリーノ) | Mattia Settembrini |
| Renni(レニ) | Alessandro Mignacca |
あらすじ
『ウィッチスターズ 流星からの寄生体X(原題:Stella Strega – Witch Stars)』(イタリア 2018)は、2016年制作の『エイリアンウィーン(原題:ALIENWEEN)』をベースに、監督フェデリコ・スファシアが不要部分をカットし、新たなシーンを追加・再編集したうえで改題した“別バージョン”です。
昔の仲間たちが集まったハロウィンの夜。とある屋敷を舞台に、流星に紛れ込んで地上へ落下した寄生的宇宙生命体が次々と人間に憑依し、惨劇が始まります。
登場人物は主に“30代の旧友グループ”とその恋人、さらに娼婦などの周辺人物。外部からの寄生体と、人間同士の過去のしがらみが複雑に絡み合い、やがて争いと崩壊が加速していきます。
感想・レビュー
いつの間にかAmazon プライム・ビデオで配信してた!
『ウィッチスターズ 流星からの寄生体X』や『エイリアンウィーン』のトレイラー映像を見たときから、ずっと気になっていた作品でした。
見たいと思いつつしばらく忘れていたのですが、気づいたらAmazon プライム・ビデオで日本語字幕版が配信されていたので、喜び勇んで鑑賞しました。
CGなし、80年代低予算グロ・ホラー映画のノリ
登場する怪物(寄生された生物)や人体溶解・破壊のシーンはCGなし。チープながらも、きちんとした造形物(特殊メイク)で表現されています。
蒼白い粘液を浴びた人や生物が寄生体に乗っ取られ化物と化す過程では、俳優が全身粘液と血まみれになり、古き良きスプラッター演出を体現しています。
犠牲者が骨になるシーンも、汁気をまき散らし肉片を飛ばしながら崩壊していくという気合の入れよう。
流血や人体崩壊がCG頼みになりがちな近年では珍しく、汚らしくグチャベチャドロドロした粘液まみれのゴア描写を見せてくれるのは感動的です。
さらに冒頭のテロップで「この映画は実話に基づいて作られている」と出るのですが、これがもう最高にバカっぽくて、見た瞬間に思わず吹き出してしまいました。
「んな訳あるかい!」とツッコミ待ちなのでしょうか? もし本当に実話なら、人類はもう滅んでます。
ポケモンショック(光過敏性発作)が心配になるくらい点滅する
寄生体が寄生した怪物や、その怪物が吐く蒼白い粘液がめっちゃビカビカ光ります。
ちょっと光過敏性発作(いわゆる“ポケモンショック”)を起こす人がいないか心配になるレベル。
私は大丈夫でしたが、鑑賞する際は念のため注意を。
ある意味、これはもう1つの“異次元の色彩”(ラヴクラフト的なコズミックホラーの象徴)といえなくもありません。
常に「キュルル」「キュルキュルル」五月蝿い!
寄生体の鳴き声なのか、作品中ずっと「キュルキュル」「キュルルルル」と鳴り響きます。
さらに、寄生体がラジオに近づくとラジオがハウリングを起こし、「ギュガー」「グガー」といった騒音が加わって、全体的にかなりノイジー。
個人的には“アリ”な演出だと思いますが、常にざわついた音が流れる“賑やかなホラー”です。
静寂で恐怖感を煽ったり、ジャンプスケア(Jump scare)で驚かす――といった演出とはまったく無縁です。
寄生された生物の変化は個体差が大きい
蒼白い粘液を浴びると、植物でも人間でも寄生されてしまいます。
冒頭では、カボチャに寄生体が取りつき、瞬く間に触手を生やして、そのカボチャでハロウィンのパンプキンヘッドを作ろうとしていた女性動画配信者に吸い付き、女性を一瞬で骨に変えてしまいます。
しかし次に、車のボンネット上に出現した、瓜のような植物に寄生した生命体を素手で叩き潰した男レニ(アレッサンドロ・ミニャッカ)は、手が蒼白い粘液まみれになってピカピカ光りだしても、しばらくは特に変化が現れませんでした。
寄生体に感染して初期症状があらわれてから即座に骨になる場合もあれば、長時間人間の姿を保ったままだったり、さらに寄生が進行しても本人の意識が残るケースもあります。
サミュエル(ラファエレ・オットレンギ)は寄生体に侵され異形化しながらも自我を保ち、他の寄生体を倒していました。
また、娼婦ステラ(ジュリア・ゼエッティ)の左手に粘液がかかった際、エルネスト(グリエルモ・ファヴィーラ)が腕を縛り、蠢く寄生体を取り除くと、左腕は異形と化したもののステラ本人は助かります。
その後、手の甲に逆五芒星(ペンタグラム)が浮かび上がり、ステラの左手は光(電気?)を放つようになります。
この光は寄生体を倒す力を持ち、どうやら“寄生されかけた者が、身体を乗っ取られる前に寄生体を除去した場合”に得られる超常的能力のようです。
この左手は、「それ、どこの地獄先生?」と言わんばかりで、とてもかっこいいです。
ちなみにこの映画、ラストシーンで「つづく」のテロップがでます。
続編として、ステラが悪魔の(ような)左手を駆使して、寄生体を狩って廻り、人類の救世主のように活躍する作品でも、もしかしたら予定しているのかも知れません。
……と、設定も展開もかなり適当ではありますが、B級映画はこれでこそ! と納得してしまう魅力があります。私はとても楽しめました。
まとめ:この映画、評価は両極端!
この映画は、80年代B級ホラーの雰囲気が好きな人には高評価ですが、そうでない人には退屈・低評価・見る価値なしと、まさに両極端。ちなみに私は大絶賛側です。
現在、Amazon プライム・ビデオで鑑賞できますが、合う人と合わない人がはっきり分かれるタイプの作品です。
まずはYouTubeなどのトレーラー映像で雰囲気を確認し、「このチープさ、逆にアツい」と思った人にはぜひ本編をおすすめします。
作品の基本情報
| タイトル | ウィッチスターズ流星からの寄生体X/(原題:StellaStrega-WitchStars) |
|---|---|
| 公開年/製作国 | 2018年(制作)/イタリア |
| 監督・脚本 | フェデリコ・スファシア |
| キャスト | グリエルモ・ファヴィーラ/ラファエル・オットレンギ/ジュリア・ゼエッティ/アレックス・ルッケージ/フェデリカ・ベルトラーニ/アレッサンドロ・ミニャッカ ほか |
| 上映時間 | 89分 |
| ジャンル | SF・コズミックホラー |
| 視聴環境 | Amazon プライム・ビデオ(日本語字幕版) |
補足メモ
- 本作は『ALIENWEEN(2016)』の再編集版ですが、別作品としてクレジットされています。
- “Stella Strega” はイタリア語で「星の魔女」を意味し、作中のステラ(娼婦)の覚醒とリンクしています。

